踊り場トーク①―作家と生活・日本画のイメージについて―

広島という地方での活動をコロナ禍でより考えるようになりました。コロナ禍以前より作家と鑑賞者・作家とギャラリー関係者・作家と作家の対面での交流が失われ、この状況下で、大学の在校生や卒業生にとって作家活動をイメージすることは難しいのではと思いました。それぞれの作家像を想像する中で糧となるような機会を設けられればと考えサークルのような交流会をはじめました。

2021/1/23 参加者

広島市立大学日本画専攻出身

大橋智・山本志帆・浅埜水貴

大橋  今芸能とか芸事に関わる仕事をしたいと思っている人は初めっから二足のわらじで考えないと出来ない。

例えば音楽活動している人も今なんか食えない。絵もそうなんだけどカルチャーの先生をやる人多いんだけど。自分のバンド活動とか、演奏家の活動して食えるほど稼げる人は少ない時代になっちゃった。俺の世代でミュージシャンしている人でいうと副業しないでミュージシャンで食っていくっていうイデオロギーがある。

若い人はそれじゃもう成立しない。一般に仕事しながらそういう活動をしているっていう感じなんだよね。だからやっぱ美術もそういう考え方になっていかないとできないし。本当にめちゃめちゃ優秀な人は速い段階でいけるから大丈夫なんだろうけど。そうじゃなくて自分でちゃんと続けたいって思っているんだったらそういうことをコントロールしてやってかないといけないんだなって。

浅埜 私が思うのは今の時代芸術として作品が良いのと作品が売れるのとリンクしないこともあると思うんですよね。作家一本でやることが正しい時代なのかなって思っていて。作家一本を目指すことで実は芸術から離れて行くってことが起こったりだとか。

だから色んな関わり方が重要だと思って。働いて絵を描くこと、年に一枚絵を描くことが別に悪いことではない。ただ、発表する場は選ばなきゃいけないかもしれないとは考えています。

今回の活動の中で、展示をしたりだとかスピーカー呼ぶとか、同窓会のようなことをするだとか、また展示をするにしてもギャラリーではない場所での展示を検討してもいいかもしれない。

継続的に何か活動することを具体的に考えていって、話し合って進めていきたい。例えばゲストスピーカーを呼んでみたいなと思うけれど、大橋さんだったら誰を呼びたいと思いますか?かなり映画にお詳しいですけれど、映画関係とか居ないんですか。

大橋 本当に友達いないんで。でも呼ぶのにお金がかかる人でも皆でカンパしてもらって呼んでもいいかもしれない。あとこの会では映画じゃなくていいんじゃない。

浅埜 そうなんですけどちょっと別のジャンルを呼ぶことも論点なのかなって考えていて。

この前、芸術学部で日本画以外を専攻していた人と話していて「日本画って謎なんだよね」って言われて。そう見えるよなと思って。別の分野の人を呼んでもいいのかなと。

他には同窓会みたいなことをするのは実現可能かなと思っていて。

大橋 卒業生と話そう。みたいな?

浅埜 私は先輩たちに学生の時訊きたかったんですよ。卒業後の進路とか。ゆるく話す会でもいいかなって思っている。

大橋 卒業生の人がそういうことにどれだけ興味をもっているのか。

そういう意味でいうと誰かと話したいっていう人は潜在的にいるのかなとは思う。俺なんかもう在学生の人がどういう人なのかっていうのは全くわからない。誰だかわからない人と話すつもりになれるのかどうか。

まずは小規模でも良いから一回展示をするのがいいかも。そこを起点に出してる人とおしゃべりをしようっていう。作家以外でも、美大を卒業してお坊さんやTV局のプロデューサー等色んな職業に就いている人がいる。そういう人たちの話も聞いてみたいよね。

山本 私もさっき言ってた第三者的っていうの私も知りたくて。日本画の括りってどう思われているんだろうっていうか。なんていうのかな、どういうトークテーマになるのかにもよるのかもしれないけど。外からどういう目線で見られているのかそういうことも知りたいなぁ。